構想1年。制作期間およそ半年。ついに「紙のいごく」が完成しました。ウェブマガジンの「いごく」の制作や取材を続けながら同時並行的に取材を進め、じっくりと様々な人たちの話を伺いながら、急がず、焦らず、制作を進めてきました。ようやくこうして世に送り出すことができ、編集部一同、胸を撫で下ろしております。
創刊号の特集は「やっぱ、家(うぢ)で死にてえな」、在宅療養の特集です。多くの人たちが「家で死にたい」と望みながら、やっぱり最後は病院で最後を迎えなければいけない。なぜそこにズレが出てくるのだろうという素朴な問いを、人が死ぬことや生きることってなんだっぺという哲学を絡ませながら、最新データや在宅医療の現状を追いかけつつ、紙面に提示してみました。
第二特集はグラビア。いわき市出身であり、雑誌『NUMBER』などでも活躍されている写真家の丹英直さんと、いわき屈指の実績を誇るヘアスタイリストで、現在は鹿島のヘアサロン「SLUNDRE」でその腕をふるう茅野友希さんを迎え、ウェブ版の「いごく」で紹介した、あの方やあの方の写真を撮影。どーんと掲載させて頂いておりますよ。めっちゃいい仕上がりです。
紙のいごく。ついに完成。特集は「やっぱ、家で死にてえな」です。
2017年12月16日に植田の植田印刷所で刷り上がったばかり。
さっそくそれをお披露目したいと思って持参したのが、やはりここ「おれたちの川平(かわだいら)集会所」です。川平というと、月に一度、集会所で行われているレイヴパーティが有名ですが、12月のレイヴ開催日はなんと12月16日! 印刷の刷り上がり日とレイヴパーティの日が同じって奇跡じゃん!
ということで、「紙のいごくリリースパーティ in 川平」を挙行させて頂きました!!!
さてこの日の川平はというと、やっぱり最高です。ロッコクの渋滞に巻き込まれて20分ほど遅刻したんですが、会場に着いたらもうすでに(案の定)いい感じになってて、皆さん、サンタの帽子かぶったり、カラフルなヅラをかぶったりしててて、完全にウカレポンチなんですね。
いや、失礼しました。ウカレポンチなんじゃなくて、ぼくたちが来るからって、わざわざこうして仮装して歓迎して下さっているわけですけれど、本当にそれがうれしくて、到着するなりウルウルしちゃいました。まじでウルルン滞在記かよってくらい。
まずはみんなで乾杯しつつ、紙のいごくをお配りするタイミングを見計らいます。
いわきを代表する「ウカレポンチ」の皆さん。
川平を代表するシンガー。もうね、1時間も経たないうちにこれです。それが川平。
カラオケに合わせてチークタイムに突入。いやあ、良い顔してるなあ。
別のお母ちゃんにチェンジ!
別の母ちゃんとのチークタイムに入り絶好調のお父さん。人は一生に何度、こんな良い顔ができるだろう。
で、「いごく」の完成をお知らせするチャンスがないまま、19時頃にはカラオケタイムに突入。なんかいい感じの演歌をかけながら、チークダンスが始まったり、ダンスパフォーマンスが始まったり、やっぱこのイベントってレイブじゃん? って感じで盛り上がりまくり。
ぼくは3歳の娘を連れて行ったんですけれど、娘も「川平ウイルス」に感染したらしく、父ちゃんの頭をペシペシ叩いたり、西城秀樹の「YMCA」でダンスを披露したり(しかも3回も)する始末。とにかくここに来ると人は愉快になれる。いやあ、皆さん、本当に私たちを心から歓迎して下さってですね、まじでねえ、感動です。
いごく編集部は前回のレイヴで川平の夜のつどい初参加だったのですが、皆さん、私たちのことを覚えていて下さってて、快く受け入れてくれるのが心地よい。前の話の続きや、前回のレイヴの記事の感想や、他愛のない話でどんどん酒が進みます。
でね、その間、誰かしらは踊ったり歌ったりしてるわけです。
川平を代表するダンサーの母ちゃん。今回はボトルキャップにしっかりと目を描き込んでくるあたりガチのパフォーマー。
自分の親の年代の人たちと飲んでいて、こんな写真が撮れるのとか、明らかに状況がおかしいんですよ。
「本当は貝殻でやんだげどね」なんて言いながら、皿を打ち鳴らして場を盛り上げて下さる神。
娘に頭をパチパチと叩かれて大喜びのお父さん。最高だ。最高すぎる。
ほんとね、人って、一生に何回も、こんないい表情できないって。
目薬をしまっていた「いい感じの袋」にいっぱいのお菓子を頂いた。
前回、イギリス文学の話で盛り上がったお母さんは、自宅に帰ったかと思うと、いい感じの和のテイストの袋にお菓子を入れて「お菓子おうちに帰ったらパパと食べて」なんて、プレゼントを持ってきて下さいました。「ただの袋じゃイヤだから袋探してきたの」なんて言ってた。
それだけで有り難いのに、袋をよく見たら「目薬3種」ってマジックで書いてあって。ああ、普段は目薬をしまってる袋を、わざわざ娘のために犠牲にして下さったんだなあ、それにしても目薬3種類もさしてんのかとか、いろいろ考えてたら感極まっちゃって。
そして、会場の雰囲気がボルテージMAXのタイミングを見計らって、紙のいごくを皆さんに披露させて頂きました。なぜ川平の皆さんに一番最初に見せたかったかというと、表紙です、表紙の写真を見て下さい。これ、川平の風景写真なんです。
前回のレイブパーティで衝撃を受けたデザイン担当の高木が「昼間の川平も見てみたい」と、わざわざ写真を撮影してきて、これだっつって、一番お気に入りの写真を表紙にさせてもらったんですね。彼もまた川平ウイルスに感染してしまった一人なわけです。
そうしたら、皆さん、まさかこの表紙の写真が自分の地元だなんて思ってもなかったみたいで、最初はほぼ誰も気づかず完全スルーだったんだけれど、「いやいや皆さんこれ川平っすよ」って教えてあげたら、急に「あれ、これ家(うぢ)のゴミ捨て場じゃん!」とか「ああああこれあそごの坂(さが)のどごだなー!」なんて気づいて下さって。
それで皆さんが「いやあうれしいなぃ」なんて喜んでくれて、ああ、こちらも本当にうれしいなー、写真1枚でこれほどに喜んで下さるんだなって、うれしくなるとともに余計になんか背筋が伸びちゃったりして、本当に最高の時間でした。
川平地区の馬目区長さんに「いごく」を手渡す編集部。
ああでもない、こうでもないと言いながら、紙面を読んで下さる皆さん。あったけえなあ。
さっきまでチークダンス踊ってた母ちゃんもじっくり読んで下さった。
これ絶対に読んでねえだろwwww!!! (眼鏡をかけて頂いてサービスショット)
父ちゃん母ちゃんの最期をいかに迎えるのか
私たちいごく編集部は、この「夜の川平」を、地域包括ケアの理想型の一つだと考えています。地域の人たちが、こうして酒飲んで、チークダンス踊って、カラオケして、そしてお互いにゆるく関心を持ちながら、暮らしをよりよいものにしていく。
いやね、もちろんそこに暮らしたら暮らしたで大変なことはあるだろうけれども、こうして楽しんでいらっしゃるのを見ると、年とってもこうして楽しそうにやっていけるんだなって、なんていうか、勇気をもらうっていうか、こういう風に年とりてえなって、思うんです。
そして、こういう父ちゃん母ちゃんたちに、「やっぱ家(うぢ)で死にてえよなあ」なんて言われると、間接的に両親に言われたようで、じゃあ、父ちゃん母ちゃんの希望を叶えるにはどうしたらいいんだっぺ、いざぶっ倒れてからじゃおせえな、できるだけこういう話をしないといけねんだろうなって思わされて、
あ、まさに今回の創刊号の趣旨と同じだなって。在宅がいいとか、病院がいいとかじゃなくて、父ちゃん母ちゃんと、もう少し、深い話をしないといけないな、おれたち、もうアラフォーとか呼ばれてる世代で、父ちゃん母ちゃんたちはこれから後期高齢者になっていく。その前に、ちゃんと話しておかないとなって。
そんな会話のきっかけを作りたいと思って「紙のいごく」の創刊号は作られました。とにかく若い人たちに読んでもらいたいのです。市内の病院や介護施設だけでなく、ショップとかヘアサロンとかカフェとか、そういうところに「こそ」おいてもらいたい。うちに置いてもいいよ?って方、ぜひぜひご連絡下さい。
どこでもらえるか、どこに置いてあるかについては、このサイトでも定期的にお伝えしていきます。
若い人たちと川平を盛り上げていければ、なんて言って下さった馬目区長に改めて御礼申し上げます。
だからwwww! 読んでないだろ!!!! メガネ変わってるしwwww !!! (お父さんいつもありがとうございます)
読んだら感想も教えて下さいね☆!!
公開日:2017年12月18日