昨年のいごくフェス2018で、目玉プログラムとして実施し好評を博した「VR認知症体験」。仮想現実の技術を使い、認知症当事者にとって社会がどう見えているのかを「自分ごと」として体験するプログラムです。
フェスでも大好評だったこの「VR認知症体験」。認知症当事者の視点をいわき市の施策に反映していただくため、7月19日、いわき市地域包括ケア推進課が主催して、いわき市長、市議会議長といった市政の中枢にいる皆さまを対象にした体験会を開催いたしました!
まず午前の部で認知症を体験したのは、いわき市の清水敏男市長、上遠野洋一副市長、さらにはいわき市役所の部長職の方々。まさにいわき市政の中枢にいらっしゃる方たちです。
市政のいろいろなことを「決める」立場にある人たちがこの体験をすることで、現場を見たとき、企画書や提案書を見たときに、「ん? ここはもう少し配慮してもいいのでは?」、「もっとここを工夫したらいいのでは?」という発想が生まれるかもしれません!
体験会は、参加者全員で同じVRを体験し、その都度、堀江さんの解説を入れながら周りの人たちと意見を交わすスタイル。見て感じて考えて共有する、このサイクルが3回ほど繰り返されます。また、「当事者の声」を聞けることも大事な要素になっていて、それぞれ異なる認知症当事者のインタビューなども紹介されました。
プログラム終了後、清水市長に話を伺うと、「大変興味深い体験をしました。認知症の人には世界がこう見えているのか、ということを自分の体で体験できるのが大きいですね。言葉として知っているのと、こう見えているのか、ということを知っているのでは、認知症の捉え方が変わってきます。とても理解が深まりました」と、大きいなインパクトを受けたようでした。
−サイバー市議、in tha 議場
また、同じ日の午後には、いわき市議会の議場で、同じ体験会が開催されました! シルバーウッドの堀江さんによれば、議場で「VR認知症体験」が開催されたのは日本で初めてとのこと! 日本初なのですから、もうこうなったら「日本で最も認知症に対する理解が進んだ議会」になっていただくほかありません。
いわき市議会の菅波健議長にも話を伺いました。
「認知症の方がどう感じているのかを体験できる貴重な機会になりました。少子高齢化、認知症への対策は喫緊の課題です。実は、シルバーウッドさんが運営するサービス付き高齢者向け住宅の銀木犀にも視察に行っていて、会派をあげて勉強しているところです。これからも、今回のような知る機会をもっと増やして、市民全体で意識を高めていければいいですね」(菅波議長)。
また、菅波議長からは知る機会を増やすという意味で「いごくの取り組みにも期待しています」とのエールも頂きました! 議長のお墨付きを頂いたところで、さらにガシガシ“いごいて”いきたいところです。
というわけで、この「VR認知症体験」の第2弾として、今年のいごくフェス2019では、シルバーウッドさんのご協力をいただき、「VR看取り体験会」を開催いたします! 予約制ですので、ぜひお申し込みのうえ、五感を使って「看取り」を体験してください。
いごくフェス2019 ナカフェス VR看取り体験会
日時:2019年9月1日(日) 10:30〜(開場時間 10:00)
開場:いわき芸術文化交流館アリオス 小劇場
定員:50名
対象:13歳以上
講師:下河原忠道(株式会社シルバーウッド代表取締役)
内容:仮想現実を通じて、看取りの理解を深めるプログラム。当日は講演を交えて、VRゴーグルを装着して実際に看取りを体験できます! 百聞は一見にしかす。看取りに対する見方がガラリと変わります!
申し込み:いわき市地域包括ケア推進課 0246-27-8574
公開日:2019年07月24日