今回は山間部の田人、荷路夫(にちぶ)の集会場にお邪魔しました。こちらで開かれているのが「荷路夫サロン」。月に1回程度、地域の集会場に集まって、健康相談をしたり、レクリエーションをしたり昼食を共にしたり、地域の皆さんの交流の場として運営されています。
今日は、地区の皆さんが12、3名ほど集まり、「認知症」についてのレクチャーを受けました。講師役を務めるのは、いわき市の各地区に点在する「地域包括支援センター」のスタッフの皆さん。わかりやすく認知症について解説します。
もし家族のなかに認知症の人がいたら? という状況を考え、コミュニケーションの基本から学びます。なにかとトラブルが起きやすい認知症ですが、怒ったり、怒鳴ったりすると、情報や理屈ではなく「怒られたこと」だけが記憶され、家族の信頼関係が傷ついてしまうといいます。
皆さん、パンフレットを熟読したり、◎✕クイズ形式で考えたり、認知症についての基礎を確認。時折冗談を言い合いながら、おひたしをつまみながら学んでいきます。今日もおひたしや煮物が絶品でした。特においしかったのが、わかめとワラビのおひたし。
それにしても荷路夫の皆さん、仲がいい。いわき市内のつどいの場で、これほど男性が参加してくれる場は、荷路夫の他にはあまりないそうです。震災後の仮設住宅や中山間部では「男性の孤立」が問題化しています。地域とのつながりが多い女性に比べ、会社や仕事のつながりが多い男性は、引退後に地域コミュニティに入る機会が作りにくく、孤立してしまうのです。
ところが荷路夫は皆さんが仲良し。夫婦でつどいの場にやってくる方も多いそうです。聞いてみると、奥さんが旦那さんを引っ張り出して、最初は義務感で会に参加しているうちに、だんだんと楽しくなって、また1人、また1人と男性が増えてきたのかもしれないということでした。
女性が元気、という話はあちこちで良く聞きますよね。その元気を、どう男性たちに伝えていくのか。そのあたりの秘密のノウハウなども、今後、荷路夫の皆さんから引き出していければと思います。