自治体の運営する集会所や公民館以外にも、民間が運営する店舗などが「つどいの場」として利用されているところもあります。今回紹介する、小川町の「いかりがわ」さんも、店主のご厚意によって地域の人たちが集まる場所として運営されています。
いかりがわさんのつどいの場の名物がなんといっても菅野豫さんによるヨガのレクチャー。90歳を超える超シルバー世代でありながら、現役の先生として、地域のお母さんたちに体操プログラムを提供しています。この体操がまたハードで気持ちがいいんです。
体操は、いかりがわさんの店舗の2階ホールが会場となっています。じっくりと1時間。呼吸を整えながらストレッチしたり、筋肉を刺激したり、マッサージしたりして、体に刺激を与えていきます。重要なのは呼吸。鼻から深く吸い、ゆっくりと吐く。
それが終わると、1階の喫茶スペースでのお茶会です。皆さん、おやつやお茶うけを用意して、そこでおつまみしながらおしゃべりの花を咲かせます。皆さん、これが楽しみで集まってくるんです。健康状態をさりげなく確認し合い、英気を養います。
民間の店舗を利用したつどいの場。お店なので市街地に近く、皆さんが通いやすい場所にあるということも大きな特徴です。50人、100人と集まれる場所ではなく、10人くらいが気軽に集まれる。店主の目配りもあるので、とても居心地のいい空間になっているのではないでしょうか。
いかりがわさんのご厚意。そして利用者の皆さんの笑顔。地域の人たちが自ら「いごいて」、自分たちの居場所を作り、そしてお互いの健康な暮らしをそこはかとなく支え合う。地域包括ケアのひとつの理想型が、ここにはあります。