介護施設をめぐるバスツアー in 小名浜

(終了しました!)


 

人材Aさん:福祉の仕事をやってみたい。少しでもいい環境で働けるところに転職したい。でも、よその施設のことはよくわからないし情報も少ない。実際に見てみたいし、話を聞いてみたいなあ。

施設長Zさん:福祉の現場で働ける人を募集したい。うちのいいところを知ってもらいたい。でも、人手も限られてるから、なかなか見学会を頻繁にやることは難しい。直接、いろいろ説明したいのに。

 

<施設を実際に見て、施設長(や就職希望者)に話を聞いて、交流できるツアーがあればいいのに!>

 

という声が聞こえて来たので、やります! 福祉に関わりたい、環境を変えたいという声と、人材に来てもらいたい、施設を見てもらいたいという声、その両方にお応えすべく、小名浜地区の5つの特別養護老人ホームがコラボ。その5軒の施設をめぐる「福祉施設をめぐるバスツアーin小名浜」が、11月27日に開催されることとなりました! 

これだけまとめて施設を体験できるのは大変貴重ですよ。実際に施設や人を見て、雰囲気を味わって、施設の人にも話を聞いて、就職や転職、募集や採用のきっかけにしてください。

 

いごく編集部では、バスツアーの企画にあたり、皆さんより一足早く、今回のツアーに参加する5つの特養を見学させて頂きました。バスツアーで実際にめぐるのと同じ順番で、5つの施設の特徴などをざっくりと紹介していきます。きになる施設があったら、ぜひバスツアーで、ご自分の五感で体験を。

 

バスでめぐる5つの施設と、バスツアーの順番

 

13:00~ 寿限無(社会福祉法人 葵会)

13:40~ サニーポート小名浜(社会福祉法人 容雅会)

14:20~ にじの郷(社会福祉法人 虹の会)

15:00~ かしま荘(社会福祉法人 養生会)

15:40~ パライソごしき(社会福祉法人 五彩会)

解散

 

特別養護老人ホームというのは、公的に運営されている介護施設のひとつ。公的に運営されているので、介護度や収入によって利用料が決まります。基本的には最期まで入居できます。基本的には65歳以上の高齢者が対象となり、入居条件は要介護3以上。すでに介護職にある方なら、ご存知だろうと思いますが。

 

−和の異空間、寿限無

さて、1軒目は、泉の極楽湯のそばにある「寿限無」です。黒を基調にした和モダンの建物。なんだか温泉施設のように見えます。「あれ? ここって極楽湯じゃない?」と勘違いする人が実際に多いそう。施設に入ると、「え? ここ、やっぱり温泉?」という感じの内装。安らぎの和の空間。外観だけではなく、内装や調度品のデザインにも共通しています。

 

黒を基調にした和モダンの空間。温泉施設を見間違うほど、介護施設感がありません

 

案内してくれたのは施設長含め、若い男性3人。気持ちよくハキハキと対応してくれました。若い男性が活躍している。これは大きなポイントかもしれません。特養老人ホームのなかに従業員用の保育園があり、日中はそこに子供を預けて仕事に集中できるそうです。子どもたちが施設を駆け回り、老人ホームを利用する方も声をかける。施設というより「コミュニティ」という雰囲気です。

寿限無の隣には、同じく特養老人ホームの「寿楽」がありますが、こちらも、まるで温泉旅館のような設計。お部屋や個室の名前もなかなかにエッジが効いていて、働いている人たちが楽しみながら運営している様子が伝わってきます。施設のなかには木材がふんだんに使われていて、高齢者の好みそうな雰囲気に統一されています。

 

真ん中が施設長。若い男性が生き生きと働いている施設。好感度アップ!

 

お部屋の名前にも一工夫。お年寄りの好む和の空間が広がっています

 

旅館のような会議スペース。若い社員たちが生き生きとアイデアを出せるような社風が伺えます

 

お風呂はなんと、青森県産のヒバを使ったお風呂。入浴のための機械はありません。自分でできることは自分でやってもらうというスタイルだそうで、スタッフはそば見守る! それができるのも利用者とスタッフの信頼関係ができているからこそでしょう。「日々を楽しむ」ことが、利用者、スタッフの間の潤滑油になっている。そんな印象を受けました。

 

−女性が働きやすい、サニーポート小名浜

さて、2軒目は、小名浜神成塚にある「サニーポート小名浜」。同町内にある中村病院が母体となった特養老人ホームです。中に入ると、モダンなシティホテルのような雰囲気。玄関を入ると、すぐのところにカフェスペースがあり、コミュニティスペースとしても利用されています。この日も、スタッフのミーティングが行われ、さらには足湯なども置かれていて活気がありました。

 

外観はシティホテルの装い。食堂へ通じるガラス張りの外壁も美しいです

 

最初に案内して頂いたのが職員食堂! これがすごい。介護の仕事は、ゆっくりと食事を摂っている時間などないのかもしれませんが、それでも「気持ちをリセットできる場所が必要」と施設長。職員なら、朝昼晩1食300円で食事ができるそうです。もちろん利用者も使えるので、家族が集まり、ここで暮らす方の誕生日のお祝いをしたり、ということもあるそう。

食堂の隣には施設内保育園が。施設長いわく「せっかくスキルを身につけた方が離職してしまったのでは大きな損失。働いている方が、結婚、出産、育児を経験し、子育てにひと段落した後も、生涯にわたって職場にしてもらえるような施設を目指しています」。働いているスタッフのお子さんを小学校までお迎えに行ってくれるサービスもあり、働く人たちには心強い限り。なるほど働く人たちの9割近くが女性だそうですが、納得です。

 

自慢の職員食堂。介護は人と向き合う仕事、休息も大事

 

施設内の保育園も完備。女性の離職率が低いのもうなづけます

 

施設長の中村さん。施設に込めた思いを伺いました

 

そして、こちらで実際に歩いて見て感じたのが、老人ホームの独特の匂いがほとんどしないこと。構内に殺菌・防臭効果の高い「次亜水」の管を張り巡らせ、その霧を噴霧しているからだそうです。衛生と快適性。ここまで徹底しているのかと唸らされました。洗濯場やゴミ置場なども、とてもクリーン。ぜひ現場で思い切り息を吸ってチェックしてみてください。快適に仕事できそうですよ!

 

−働きやすくなる「設計」の妙、にじの郷

3軒目は、小名浜生協病院のすぐ脇にある「にじの郷」。今年オープンしたばかりの最新の特養だけに、きれい。そして新しい。最新の設備も整っています! 生協病院の隣にあるため、医療と福祉の連携も密なのですが、雰囲気はとてもゆったり。利用者もスタッフも、実にまったりとしていて、居心地がいいんです。住宅地から少し離れた緑豊かな環境も、静けさに一役買っています。

 

小名浜生協病院わき。静かな森のすぐとなりのに、新しい建物が誕生しました

 

まず驚かされたのは設計です。開放的なんだけれど、ユニットは適度に閉じている。施設長に話を聞くと「あまりに開放的だと働いている人が監視されているような気持ちになってしまうんです。ユニットユニットで少しでも余裕を持った状態で動いてもらいたい。自然と、上からではなくチームで動く組織になってきました」。目には見えない仕事の快適さが、設計によっても生まれています。

利用者の生活パターンや置かれている状況などを誰もがシェアできるよう「業務引き継ぎ」の際の効率や精度をあげることも意識しているそうです。デザインだけ新しくても意味がない。働く人たちの負担を軽減しつつ、福祉の精度も上げていく、ということでしょうか。「おかげで夜勤の時間も短くすることができ、休日などにも余裕が出て来ました」と施設長。働く人にとっては大きな要素ですね。

 

完成したばかりの施設。ユニットごとに色分けされ、適度に閉じた設計になっていました

 

働く人も、利用する人も、ゆったりとした雰囲気で余裕が感じられます

 

介護の設備も新しく、利用者だけでなく働く人たちもサポートしてくれます

 

働く人たちを支える、というところで特徴的なのが、研修に対するサポートが充実していること。資格を得るための試験などがある場合の有給取得や外部研修への参加も可能。「介護のスキルをあげたり、新しい資格を取ったりする自発的な活動をできる限り応援したい」と施設長。シフトに余裕があってこその自己投資。ちなみに、夏休みには5日間の特別休暇もあるそうです!!

 

−人の存在が安心を生む、かしま荘

さああ4軒目ですよ。4軒目は、かしま病院のすぐ脇にある特別養護老人ホームかしま荘。いごくでもたびたび紹介している、いわきのレジェンド、医師の中山元二先生がいわきで2番目に作り上げた特養です。お部屋は個室ではなく4人部屋。とても賑やかで、どこかしこに人の存在が感じられるんです。歴史ある、古きよき老人ホームという雰囲気。

 

かしま病院と同じ敷地内にあり、医療と福祉の連携が強い施設です

 

他の最新の施設と異なるのが、やはりこの「人の存在感」。廊下を歩いていると、スタッフ、看護師、利用者、誰かしら視界に入ってきます。介護の様子も垣間見れて、みなさんのありのままが感じられる。だから孤独感がないんです。基本的に4人部屋なので、みなさん、自室はほとんど寝るために使うだけ。ほとんどコミュニティスペースにいらっしゃる。道理で賑やかな印象になるのでしょう。

印象的だったのが、職員の人たちの笑い声や笑顔でした。面白い仕事していて楽しい、という感じではなく、とてもリラックスしていてアットホームなんです。職員の会議も、会議室ではなく、利用者から見えるスペースで行われていたり、利用者も働く人たちも、いい感じでごちゃまぜになり、分け隔てのないコミュニティになっている。これも、居心地の良さを感じる理由かもしれません。

 

利用者のみなさん、昼間は自然とコミュニティスペースに集まってきます

 

日中は、利用者とスタッフが、とてもいい雰囲気で交わっていました

 

会議「室」ではなく、会議「スペース」での会議。生活と介護がシームレスにつながるような空間でした

 

施設長は「うちは施設も最新ではないし、あるがままですから!」と謙遜していらっしゃいましたが、同じ法人内に、特養以外にも、ケアハウスやグループホームなど7つの施設があるため、基礎的な身体介護からコミュニケーション、人材育成と、学ぶプロセスがしっかりと確立しているそうです。実践から学びを積み重ねていきたい。そんな人にはぴったりの施設かもしれませんね。

 

−結婚式場の運営ノウハウが注ぎ込まれた施設、パライソごしき

最後にめぐるのは鹿島にある「パライソごしき」。結婚式場「パレスいわや」のすぐ後ろにあり、そのパレスいわやが運営の母体になっている特養ホーム。福祉系でも医療系でもなく結婚式場。それが随所に現れた施設になっています。例えば、お部屋が集まったユニットの名前がローマやニューヨークなど、とても面白い名前がついていて、内装もそのイメージを生かしたものになっているんです。

 

どこぞのリゾートホテルのようにも見える外観

 

社員の研修制度も大きく異なります。入社したスタッフが学ぶのは接遇、つまりサービス業における積極やマナー、受け答えなど。ここにも式場運営のノウハウがあるんですね。新人教育には「ブラザーシスター制度」というものがあり、既存の社員が、新入社員の兄貴分としてマンツーマンで指導していくそうです。「新人への配慮、ハンパないって!!」という感じです。

結婚式場は人の幸せの舞台を作る仕事。そのノウハウが、福祉にも社員教育にも生かされている、そんな印象を受けました。ちなみにこちらでは10年働くとリフレッシュ休暇がもらえ、ハワイ、バリ、沖縄に研修旅行に行けるだけでなく費用は会社持ち! とのこと。このような制度が充実しているため離職はほとんどゼロだそうです。そのあたりの話も、ツアーではぜひ聞いてみてください。

 

カフェスペースでは研修中の大学生がレポートをまとめていました

 

こだわりのインテリアと内装。毎日がとても楽しくなりそうです

 

施設内保育園もあり、小さな子どもを持つ人たちも仕事に集中できる環境が整っているので、専門職はより専門性を発揮できそうです。入り口に併設されたカフェでは、スタッフや研修生がリラックスした表情で打ち合わせをしていました。そんな風通しの良さが、「あるべき介護」だけでなく、オリジナリティのある介護につながっている気がします。

 

今回のツアーで回る5軒の紹介はこんなところ。もっと紹介したいことがあるのですが、それは実際のツアーで体験してみてください。また、ここに書いたことは、介護職を経験したことのない、いごく編集部の視点で書いています。介護や福祉に関わる方なら別の評価を下すかもしれません。それもまた「実際に見てみないことには分からない」もの。

ぜひ、ご自分の目で、耳で鼻で、体験してください。

実際に、そこで働いている人たちの雰囲気や、施設の考え方などを直接話せる機会はとても貴重です。就職や転職を考えている人は、騙されたと思って参加してみてください。一気に5軒。こんな機会は滅多にありません!!

 

介護施設をめぐるバスツアー in 小名浜

※画像をクリックすると拡大して表示されます

ぜひふるってご参加ください!

 

 


公開日:2018年10月25日

介護施設をめぐるバスツアー in 小名浜

2018年11月27日(火) 流れ:集合12:20 ▶︎ 出発 12:40 ▶︎ 見学 13:00〜16:30 ▶︎ 解散16:30
募集人数:20名
対象:介護施設での就労をお考えの方
お問合せ&お申込:小名浜地域包括支援センター 
TEL : 0246-53-4760 / FAX : 0246-92-5202
MAIL : onahama-houkatsu@bz03.plala.or.jp

主催:小名浜地区特別養護老人ホーム連絡協議会、小名浜地域包括支援センター
後援:いわき市